ポストエディットの必要性 

現代の翻訳プログラムでは、機械翻訳(MT)がますます重要な役割を果たしています。

その背景には、機械翻訳技術の急速な発展があります。

Google翻訳やDeepL翻訳などの登場で、機械翻訳の品質は年々向上しており、より流暢で正確な翻訳結果が得られるようになってきています。(詳細はこちら「Google翻訳とDeepL翻訳の違いとは?」)

しかし、いくら技術が進歩したとしても、特に専門性の高いコンテンツでは人間が機械翻訳の出力を微調整する必要があります。

この記事では、機械翻訳後、人間が修正する作業「ポストエディット」とは何かについて基本的な部分を紹介します。

ポストエディットとは 

ポストエディット(Post Edit)という作業は実際にはレビュー(校正)の一種であり、 従来の翻訳という行為とは異なります。

通常、翻訳者は原文に忠実に自分の力で一言一句翻訳文を作成していきますが、ポストエディターは機械が出力した翻訳をレビューし、必要に応じて修正します。

ポストエディットにはライトポストエディットフルポストエディットの2種類があります。

■ライトポストエディティング

ライトポストエディティングでは原文の意味を伝えることが重視されます。

原文の意味を歪めていなければ多少文体に違和感があってもそのまま使用し、読者に十分な情報が提供されているかどうかを重要視します。

逆に言えば、少々品質が落ちても意味が分かれば良いという基準でレビューを行っていきます。

社内でしか使用しない内覧用の文書や大量に翻訳が必要な場合など、翻訳に関する予算を抑えたい時にこのライトポストエディティングが採用されます。

■フルポストエディティング

一方、フルポストエディティングでは翻訳レベルを人間レベルの品質まで高めることを目的とします

フルポストエディティングでは以下のような項目をレビューします。

  • 業界やクライアント固有の用語や固有名詞が適切で、かつ統一感があるか
  • 人間らしい文章で読みやすさが確保されているか
  • 通貨や単位・日付など各国の文化的な基準に沿って適応されているか
  • 対象読者やクライアント、プロジェクト固有の要件に合わせてスタイルが確立されているか など

上記のような目的を果たすため、フルエディットはライトエディットに比べて時間もコストもかかります。
ただ、品質は人間レベルまで高まるため、契約書などの重要な文書や、宣伝目的のウェブサイトの翻訳などではフルエディットが採用されます。

ポストエディットの注意点

ただし、注意しなければいけないのは、原文の内容によっては、「初めから人間が翻訳した方が品質的にもコスト・納期的にもベターだった」というケースが多々あることです。

機械翻訳技術がいくら進化したといっても現状、機械は文脈や背景を読むことができません。 対して、人間の翻訳者は、原文の文脈や意図、背景などを考慮して、より自然で正確な訳文を作成できます 。

文章としての品質や効果を翻訳に求めるなら、まだまだ人間が一から翻訳することが最善の方法であることは間違いありません。ただ、予算的な問題や納期の問題など、どうしても機械が必要となる場合もあり、目的に合わせて人間翻訳と機械翻訳(ポストエディット)を上手に使い分けることが大切です。

まとめ

この記事では、ポストエディットの定義や種類、メリットや注意点などを基本的な部分を紹介しました。

ポストエディットは、翻訳者にとってもクライアントにとっても有益な作業ですが、それだけに高いレベルの知識や経験が求められます。

ポストエディットを行う際は、機械翻訳の特性や品質要件を把握し、適切な修正方法を選択することが重要です。

※ポストエディットについては今後も引き続き記事にしていきます。