翻訳支援ツールと翻訳メモリ

翻訳は手間のかかる作業です。同じような文章や用語を何度も翻訳する必要がありますし、品質や統一性も保たなければなりません。
しかし、翻訳支援ツールを使えば、過去の翻訳をデータベース化して再利用したり、表現や用語の揺れを防いだりすることができます。これによって、翻訳の効率と品質を向上させることが可能です。

翻訳支援ツールとは、翻訳された情報をデータベース化し、再利用したり統一したりすることができるソフトウエアです。(翻訳支援ツールについての詳細はこちら

翻訳支援ツールで使用されるデータベースのことを「翻訳メモリ」と呼びます。

この記事では、翻訳メモリのメリットと具体的な活用法についてご紹介します。

■翻訳メモリとは

翻訳メモリとは、過去の翻訳を蓄積し再利用することで、翻訳品質や効率を向上させるデータベースのことです。

翻訳メモリを使うメリット 

~類似文章の多い翻訳ではコスト削減が可能~

同じような文章が何度も出てくるような翻訳では、翻訳メモリの効果が大きく現れます。

例えば、取扱説明書、契約書、ゲーム翻訳、ソフトウェア・アプリケーションなどの翻訳です。

上記のような文書では、同じ表現や用語が何度も頻出しますが、翻訳支援ツールを使えば過去に一度翻訳したものを再利用することができます。

これによって、人手で毎回同じ文章を翻訳する手間や時間が省けますし、表現や用語の統一も容易になります。

また、繰り返し部分を割引料金で対応する翻訳会社もあります。

翻訳メモリを管理してコストを削減する以外にも下記のようなメリットがあります。

・翻訳品質の安定、統一性の確保

翻訳メモリを使用することで、訳文の用語や表現の統一性を確保することができます。

人間が目で見て過去の訳文を確認して用語や表現を合わせると、どうしても不統一な部分がでてきますが、翻訳メモリとつながった翻訳支援ツールが自動でやってくれると、例え担当翻訳者が変わっても統一性を保持することが可能になります。。

・納期の短縮

翻訳メモリを利用することで、翻訳プロセスを早めることができます。

翻訳メモリ内に大量の翻訳文を蓄積することで、作業は効率化され、翻訳者は高速かつ高品質な翻訳を完成させて、納期を大幅に短縮することが可能になります。

また、ご依頼件数が増えれば増えるほど、翻訳メモリは蓄積され、より良い品質を維持した翻訳をご提供することが可能になります。。

翻訳メモリとよく間違われる機能に機械翻訳があります。

■翻訳メモリと機械翻訳の違い

機械翻訳は、コンピュータが原文言語を別の国の言語に自動的に生成する技術です。

一方、翻訳メモリは、データベースの作成と更新を人間の翻訳者が行います。

翻訳メモリを使用し、原文を分析することで、データベース内の既存の翻訳と完全一致またはあいまいに一致する部分を見つけることができます。

翻訳者は、データベースから提案された翻訳を承認、変更、拒否することで翻訳効率を高め、機械翻訳だけではできない、人間らしい流暢な翻訳文を過去訳と統一性を保ったまま記述することができます

まとめ

このブログ記事では、翻訳メモリの概要や作り方、活用方法などについてご紹介しました。

翻訳メモリは、過去の翻訳をデータベースに保存し、再利用することで翻訳の効率と品質を向上させる技術です。

翻訳会社ジュピターでは翻訳メモリの作成も承っております。コスト削減、納期短縮などお客様が抱えるあらゆる問題について、様々な解決策を提案いたします。

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