
はじめに
海外への事業展開や多言語マーケティングが当たり前になった現在、翻訳会社への外注はもはや特別なことではありません。しかし、「安かろう悪かろう」に陥りやすいのも翻訳サービスの特徴。
この記事では、創業50周年を超える翻訳会社の担当者が、発注者の立場に立って【翻訳会社の選び方】をチェックリスト形式で徹底解説します。
この記事を書くにあたり、私たちの会社が有利になるような言い方はなるべく避け、できるだけフェアになるように心がけました。
翻訳会社選定チェックリスト
1. 専門性と実績
☑ 依頼する翻訳の専門分野(法律、医療、IT、技術など)に特化した実績がある
☑ 会社のウェブサイトに業界別の翻訳実績やポートフォリオが掲載されている
☑ 特定分野の翻訳経験が豊富な翻訳者を抱えている
2. 翻訳者の資格と経験
☑ 翻訳者が専門的な資格(例:英検1級、TOECK900以上、通訳案内士など)を持っている
☑ 翻訳者がその分野に対して実務経験を有している
☑ 翻訳者にネイティブチェックがある場合、母国語話者が関わる
3. コストと見積もり
☑見積もりが透明で、作業項目ごとに価格が記載されている
☑ 料金が予算内であるか、他の翻訳会社と比較して納得できる価格である
☑ 無料のサンプル翻訳を提供している、または初回割引などのオファーがある
4. 納期と柔軟性
☑提案された納期が現実的である
☑ 納期の延長や急な修正に対応できる柔軟性がある
☑ 納品後に修正やアフターサポートを提供している
5. 品質保証
☑ 翻訳の品質チェックがしっかりと行われている(ダブルチェックやネイティブチェックなど)
☑ 翻訳後のレビューや校正のプロセスが明確にされている
☑ 顧客のフィードバックを取り入れ、品質改善に積極的
☑ 機械翻訳やAI翻訳の使用の有無(使用してる場合はその後、人間によるチェックが行われてるか)
6. コミュニケーション能力
☑ 初回問い合わせに対する反応が迅速で親切である
☑ 進行中に定期的な進捗報告やコミュニケーションがある
☑ 担当者がわかりやすく、誠実に対応している
☑ 連絡方法(メール、電話、チャットなど)が多様で、柔軟に対応できる
7. 顧客のレビューと評価
☑ 他の顧客からのポジティブなレビューがある
☑ 同業界または同分野の顧客からの推薦や実績がある
☑ 会社の評判や信頼性について、第三者機関で評価を受けている
8. プロジェクト管理能力
☑ 納期に遅れないように、適切なリソース管理が行われている
☑ 緊急の依頼にも対応できるプロセスが確立されている
9. 契約内容と条件
☑ 提供されるサービスの範囲が明確に定義されている(特に翻訳、校正、編集などの区別)
☑ 支払い条件や契約内容(納期、変更対応、料金支払い方法など)が書面で確認できる
☑ 契約書に守秘義務(NDA)が記載されている
チェックリスト活用法
上記の項目を確認することで、翻訳会社の適切性を評価でき、選定に失敗する可能性を低くすることができます。
もし、いくつかの項目が満たされていない場合、その翻訳会社について再検討することをおすすめします。
特に納期、品質保証、そしてコミュニケーションの要素は、プロジェクトの成功に直接影響を与えるため、十分に慎重に確認することが重要です。