
翻訳会社選びで陥りがちな5つの失敗事例と回避策
翻訳サービスを初めて利用する際、多くの企業が予想外のトラブルに見舞われることがあります。今回は、業界経験20年以上の担当者がお客様からリサーチした失敗事例を具体的に紹介し、それぞれの原因と対策について詳しく解説します。
失敗事例1:誤訳による重大なミス
実際に起こったトラブル
契約書の翻訳において、業界特有の専門用語が適切に伝わらず、その結果、契約内容の理解に齟齬が生じた事例があります。契約書は法的効力を持つ文書であり、たとえ些細な誤りでも重大な結果を招く可能性があるため、翻訳においては一切のミスを避けることが求められます。
原因
- 翻訳者の専門知識不足
- 依頼側からの用途・背景説明不足
- 翻訳会社との事前コミュニケーション不足(用語集の有無、校正体制の確認など)
対策
- 業界特化型の翻訳会社を選ぶ:契約書であれば、契約書翻訳の過去実績があるかないかを確認。他分野の場合は、該当分野での実績豊富な会社を選択しましょう
- 事前ブリーフィングの徹底:文書の用途、読み手、専門性について詳細に説明
- 用語集の共有:業界固有の用語や社内用語を事前に提供
失敗事例2:文章の違和感で読みづらい翻訳
実際に起こったトラブル
海外向けWebサイトの翻訳で、文法的には正しいものの、現地のネイティブが読むと不自然で違和感のある訳文が納品され、ブランドイメージを損なったケース。せっかくの海外展開もこれでは逆効果になってしまいます。
原因
- チェック工程の省略
- 低価格重視による品質管理の軽視
- 機械翻訳に頼った簡易的な作業
対策
- 厳重なチェック込みのプランを選択。翻訳者、あるいはチェッカーがネイティブであることを確認する:多少コストが上がっても品質を重視しましょう
- 翻訳プロセスの確認:どのような工程で品質管理されているか事前に確認
- サンプル翻訳の依頼:実際の仕上がりレベルを事前にチェック
失敗事例3:納期遅延による業務への影響
実際に起こったトラブル
重要なプレゼン資料の翻訳が予定より3日遅れ、海外クライアントとの商談スケジュールを変更せざるを得なくなったケース。
原因
- 翻訳会社との確認不足
- 原文の品質問題(誤字脱字、曖昧な表現が多い)
- 翻訳会社の工程管理不備
対策
- 余裕を持ったスケジュール設定:最低でも希望納期の1.5倍の期間を確保しましょう
- 納期の最終確認:見積もり時に翻訳会社から提示された納期はあくまで見積もり時の納期です。その時の状況により、翻訳会社の稼動状況は常に変わります。発注時には必ずもう一度納期を確認しましょう
- 進捗確認体制の確立:定期的な進捗報告を依頼
失敗事例4:予算オーバーによるコスト増大
実際に起こったトラブル
簡単な製品説明書の翻訳のつもりが、高度な技術翻訳として扱われ、想定の3倍の費用を請求されたケース。
原因
- 翻訳レベルの認識違い
- 見積もり時の要件伝達不足
- 小口案件の分割発注によるミニマムチャージの重複
対策
- 適切な翻訳レベルの選択:文書の用途と読み手に応じたグレードを選択し、適正価格がいくらになるかを翻訳会社と協議しましょう。また、少量の翻訳を小分けに依頼すると、その都度ミニマムチャージが発生し、逆にコストがかかることがあります。
- 詳細な見積もり依頼:文書の性質、使用目的、専門性について明確に説明
- 案件の統合発注:複数の小口案件をまとめて発注してコスト効率化
失敗事例5:アフターサポートの不備
実際に起こったトラブル
納品後に修正点が見つかったが、翻訳会社と連絡が取れず、結局別会社に再翻訳を依頼することになったケース。
原因
- 翻訳会社の責任感不足
- 契約条件の曖昧さ
- アフターサポート体制の未整備
対策
- アフターサポート体制の事前確認:納品後の修正対応について明確に確認しましょう。
- 契約条件の明文化:修正対応の範囲と期間を契約書に明記
- 信頼できる会社との長期関係構築:継続的な取引による信頼関係の構築
信頼できる翻訳会社を見分けるチェックポイント
翻訳会社選びで失敗しないために、以下の点を必ず確認しましょう。
対応面でのチェック項目
- 迅速で丁寧な対応:問い合わせへの返答速度と内容の適切さ
- 専門用語を使わない説明:顧客の理解レベルに合わせた分かりやすい説明
- 誠実な姿勢:デメリットも含めた正直な情報提供
技術・品質面でのチェック項目
- 専門分野への特化:得意分野が明確で実績が豊富
- 品質管理体制:翻訳からチェックまでの工程が整備されている
- 継続性の保証:同じ翻訳者による一貫した対応が可能
契約・サポート面でのチェック項目
- 明確な料金体系:追加費用の条件が明確
- 守秘義務契約:情報セキュリティ対策が整備されている
- アフターサポート:納品後の修正対応体制が確立されている
まとめ
翻訳サービスの失敗は、単なる時間やコストの損失だけでなく、ビジネス機会の逸失や企業の信頼失墜につながる可能性があります。適切な翻訳会社選びは、価格だけでなく、専門性、品質管理体制、コミュニケーション能力、アフターサポートなど多角的な視点から判断することが重要です。
初回の取引では必ずトライアル翻訳を活用し、実際の品質レベルを確認してから本格的な依頼を行うことをお勧めします。また、長期的な視点で信頼できるパートナーとしての関係構築を目指すことで、より質の高い翻訳サービスを継続的に受けることができるでしょう。
翻訳会社ジュピターは50年以上の翻訳実績があり、翻訳全般に関するあらゆるノウハウを持っています。お見積もりは無料ですので、お気軽にお問合せください。平日であれば、即日返信いたします。
ブログ執筆者:Yoshida