※この記事は2023年3月に書かれた記事です

翻訳サービスを利用する際、翻訳会社の料金表には、「1枚数千円~」、「1文字数円~」などと記載されていますが、その金額はどこから来るのでしょうか。

翻訳料金は様々な要因によって変動します。

どのような要素が料金に影響するのか。また、どのようにして適正な料金が決定されるのか。

この記事では翻訳料金の仕組みについて詳しく解説します。

翻訳料金は文字数によって決まる

現在、翻訳業界で最も一般的な見積もり方法は、「文字数・ワード数」を基に計算する方法です。
原稿内に書かれている総文字数をカウントし、「文字数×単価」で計算します。

たとえば、「翻訳会社ジュピターの所在地は渋谷区代々木です。」という文章の文字数は23文字です。

これを英語に翻訳する場合、計算式は

「23文字×単価=翻訳料金」

となります。(*文字数には句読点も含まれます)

文字のカウントにはMicrosoft Wordの文字カウント機能などが使用されます。

それでは文字単価は何を基準に決まるのでしょうか。その仕組みについて説明します。

料金のしくみ ① 分野、専門性

1文字何円という単価の決まり方は言語、分野、専門性によって決まります。

医療分野や法律分野などは高度な専門知識を必要とするため、単価が高くなる傾向があります。

また、広告文や映画字幕、マーケティング分野など、「ヒトの心に響く」文章が必要な場合も、専門技術が必要となるため、単価が上がります。

一方、メール文などのシンプルな文章や、「意味が分かればいい」内覧用の文書などは単価が安くなる傾向があります。

料金のしくみ② 言語

翻訳対象となる言語によっても料金は変動します。

英語、中国語など話者人口の多い言語に比べ、話者人口の少ない特殊言語は翻訳者の数も少なくなり、翻訳単価が上がる場合があります。

料金のしくみ ③ 分量

数十万文字以上の大量文書などはボリュームディスカウントが適用され、1文字あたりの単価が安くなる場合があります。

逆に文字数が極端に低い場合は、「ミニマムチャージ」が適用される場合があります。

料金のしくみ④ 校正・コーディネイト

翻訳会社に依頼する場合、まず窓口として担当コーディネーターがお客様のヒアリングをします。

コーディネーターは原稿を確認した後、実力、経験、パーソナリティを考慮して、案件に最適な翻訳者を選定し、お客様と翻訳者の間に立って様々な調整を担当します。

翻訳者による翻訳が完了した後は専門の校正者によるチェックが入ります。 校正者はスペルミス、誤訳、翻訳漏れがないかどうか厳重にチェックし、翻訳をビルドアップさせる重要な役割を担います。

翻訳料金にはこのコーディネーターと校正者の人件費も含まれています。

料金のしくみ⑤  納期

通常の納期よりも早い納品を希望する場合、特急料金として追加料金が発生することがあります。

相場としては、通常の料金に20%~30%程度割り増しされることが多いようです。

納期の目安の一例として、 4,000文字の日本語原文を英語に翻訳する場合、通常納期は4~6営業日程度となります。

その他

翻訳とは別にワードやエクセルのレイアウト調整、HTML対応、DTP作業、用語集制作などが必要な場合には別途費用がかるので注意が必要です。

翻訳料金の相場

弊社も加盟している一般社団法人日本翻訳連盟のサイトに記載されている翻訳料金目安は以下になります。
ここでも専門性によって料金が変わっているのが分かります。


https://www.jtf.jp/tips/price

上記の料金はあくまでも目安で、実際には翻訳会社によっても変動します。
翻訳会社によって変動する理由は、会社の規模、所在地、登録翻訳者のレベルなどの要因があります。

ちなみに翻訳会社ジュピターの料金表はこちらになります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

翻訳料金の仕組みについて、この記事では詳しく解説してきました。

翻訳サービスを利用する際には、翻訳内容や難易度、納期やフォーマットなどが料金に影響します。

また、料金には翻訳者だけではなく、コーディネーターや校正者の人件費も含まれます。

翻訳サービスを利用する際には、事前に料金の仕組みを理解し、適正な料金を確認することが重要です。