通訳を依頼する場合、その通訳の形式や難易度、言語の種類などによって相場は異なります。
また、通訳者の人件費以外にも交通費や機材費などが発生する場合もあります。
事前に通訳の相場やその他にかかる費用を知っておくと、その後の予算交渉に役立ちます。
この記事では、シーン別や言語別に分けて、通訳料金の相場とその他の費用をお伝えします。
通訳の種類(逐次通訳、同時通訳 、ウィスパリング通訳、)
- 逐次通訳(consecutive interpreting):話者が話し終わった後に、その内容を別の言語で伝える通訳です。会議や商談などでよく使われます。
- 同時通訳(simultaneous interpreting):話者が話している最中に、その内容を別の言語で同時に伝える通訳です。国際会議や学会などでよく使われます。
- ウィスパリング通訳(whispered interpreting):話者が話している最中に、その内容を別の言語で小声で伝える通訳です。少人数の場面や機密性の高い場面でよく使われます。
同時通訳と逐次通訳の違い メリット/デメリット
同時通訳は、話者の発言を聞きながら、リアルタイムに別の言語で伝える通訳手法です。ヘッドセットやマイクなどの通訳機器を使って行われます。主に国際会議やシンポジウムなどで用いられます。
■同時通訳のメリット
同時通訳のメリットは、時間が短縮できることや、話者のトーンやニュアンスをそのまま伝えられることです。
■同時通訳のデメリット
デメリットは、高度な技術や集中力が必要なことや、機器の準備やコストがかかることです。
逐次通訳は、話者の発言を一旦区切りながら、別の言語で伝える通訳手法です。メモ帳などを使って行われることが多く、主に商談や会議などで用いられます。
■逐次通訳のメリット
逐次通訳のメリットは、話者と聞き手がインタラクティブにやり取りすることで内容を丁寧に分かりやすく説明することができます。また、機器が不要で場所を選ばないことです。
■逐次通訳のデメリット
デメリットは、時間が同時通訳と比べて2倍かかることや、話者のトーンやニュアンスが失われる可能性があることです。
通訳料金の相場
通訳を依頼するときに気になるのが料金かと思います。
通訳料金は、言語や通訳方法によって大きく変わります。
一般社団法人日本翻訳連盟が発行している翻訳白書2020年版によると、通訳者の1日の平均価格は「4万円~10万円未満」というのが56%を占めていますので、このあたりがボリュームゾーンと言えそうです。
弊社の独自調査では一般的な相場で、半日(3時間以内)の通訳であれば、逐次通訳で3~6万円、同時通訳で6~10万円以上でした。(いずれも英語通訳)
もちろん、これらはあくまで目安であり、交渉や条件によって異なります。
また、機材費や交通費、宿泊費などの実費も別途請求されることがありますので注意しましょう
通訳者のランクによる料金の違い
翻訳・通訳会社に登録する通訳者には通訳レベルによってランクがあります。また、ランクによって相場も変わってきます。
たとえば、弊社(翻訳会社ジュピター)の通訳料金表は下記になります。
通訳者レベル | 1名/一日 | 1名/半日 | 説明 |
Sランク 同時通訳 | ¥110,000 | ¥80,000 | 同時通訳レベル。専門性の高さはもちろん、大規模な国際会議等の通訳経験を多数持つスペシャリスト。 |
Aランク 同時通訳 | ¥100,000 | ¥70,000 | 同時通訳レベル。 専門的的な知識を持ち、実務経験も10年を超える通訳者。オンライン会議、シンポジウム・セミナー・記者会見など |
Bランク 逐次通訳 | ¥80,000 | ¥55,000 | 逐次通訳レベル。 実務経験5年程度の通訳者。社内会議、レセプションの司会、セミナー・オンライン商談・社内会議・社内研修など |
Cランク | ¥50,000 | ¥30,000 | 実務経験1 年以上の通訳者。観光アテンド、会食、展示会ブース等。 |
通訳機材について
国際会議やシンポジウム、オンライン会議など、用途・場所によっては通訳機材が必要になります。
通訳機材とは、通訳者が通訳対象者の発言内容を正確に聞き取り、かつ通訳者の声を利用する側にスムーズに伝えるために必要な装置のことです。
通訳機材には、同時通訳システム、通訳ブース、ミキサー、マイク、スピーカーなどがあります。
通訳機材のレンタルは、通訳会社や音響会社などから依頼できます。料金やサービス内容は会社によって異なりますが、例えば東京都内100名規模の会で同時通訳機材をレンタルした場合、全て含め15~30万円が目安となります。
依頼前の注意点
通訳を依頼する際に注意すべき点は、以下のようなものがあります。
- 通訳が必要な日時、場所、言語、人数、目的、内容などを事前に明確に伝えること
- 通訳の形式(同時通訳・逐次通訳)やランクを適切に選択すること
- 通訳者に事前資料や用語集などを提供すること
- 通訳者の経歴や実績、評価などを確認すること
- 通訳料金やキャンセルポリシーなどを契約時に確認すること
以上の点に気を付けて、依頼をしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?
この記事でご紹介したのは、通訳会社に依頼するための基礎知識です。
しかし、上記だけでは十分とは言えません。翻訳・通訳会社に依頼する際には、目的や要望を明確に伝えることが重要です。
また、翻訳・通訳会社や通訳者とコミュニケーションを取りながら、信頼関係を築くことも大切です。
通訳についてのお悩み、質問がある場合はお気軽にこちらにご連絡ください。